前職在職中に、次のようなことが少し問題になりました。
『ブリッジの途中にエキスパンション・ジョイント(EXP.J)があるとき、
製作手すりをどのように流し渡すか?』
特に、地震時の手すりの挙動が問題となります。
これについて、参考になりそうな事例を集めてみました。
出かけた先で、橋梁の写真を撮りためてみました。土木の手すりのディテールです。
大体のところ、「さや管タイプ」 と 「笠木すき間(+カバープレート)タイプ」 に分類できるみたいです。
(上の写真は、クリック→別ウィンドウで開きます)
手すりとEXP.Jの、クリアランス同士の位置関係を観察すると、
「さや管タイプ」 では、「ずらす」
「笠木すき間タイプ」 では、「そろえる」
としていることが多いようです。
技術的な理由もあると思いますが、「表現上の理由」 ととらえてみても、何となく腑に落ちる面があります。
ここで注目したのが、長生橋の歩道の手すりのディテールです。
(先ほどの写真の1~4枚目)
手すりの台座を流して、そこにピッチの細かい手すり子が取り付くタイプですが、EXP.Jの位置に手すり子を1本入れて、クリアランス同士の位置をずらしています。
このように 「ジョイントの上に、手すりの台座が乗っている」 ようにすると、見たときにより安心感が得られるような気がしませんか?
既製アルミ手すりには、EXP.Jの専用品が色々とあり、高層マンションなどで採用されているようです。「さや管タイプ」で、XYZ各方向の変位に追従するように工夫されている製品もあるようです。機会があれば実物を見つけてみようと思います。
【後日追記】
9月26日 長岡市今朝白・栖吉川に掛かる 「大手橋」 にて採取
第3のタイプです。 一般部の手すりと、どこも全く変えてありません。
名付けて、「無とんちゃくタイプ」
車道はエキスパンションですが、歩道から向こうが無とんちゃくです。「歩道部は、誘発目地である」 というほうが正確かもしれません。
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