11月4日 新潟市・エフスタイルで開かれていた、
書家・華雪さんの展覧会におじゃましてきました。
エフスタイルに行ったのは、実は初めてでした。
展覧会は今週末、11月7日まで開かれています。
以下 「ネタばらし」 があるので、
これから行くのを楽しみにしている、というかたは、
この先を読むのは、おあずけにされてください。
僕が華雪さんの展覧会を見るのは、今回で3度目でした。
初めて見たのは、ちょうど1年前、聖籠町の米蔵で開かれていた 『刺心』 という展示でした。
当時のことはブログなどにも書きませんでしたが、この展覧会は、とても衝撃的でした。僕にとって2009年度ベストの展覧会だったかも。
広い米蔵を 「新潟島」 に見立て、華雪さんが描かれた 「新潟島の地図」 を片手に、会場にちりばめられた華雪さんの書をめぐります。それはまさに 「町歩きと発見」 をする空間感覚と全く同じで、それが米蔵の限られた内部で、鮮やかに抽象表現されていたことに、僕はものすごく衝撃を受けました。
また、書の作品自体に表現されている 「空間感覚・余白の感覚」 も、この上なく刺激的でした。華雪さんご本人がいらしたので、書道家が作品内でいかに 「空間」 を重視されているか、書くときの身体感覚や呼吸を大事にされているか、解説していただきました。
僕はそれまであまり書道の展示を見た経験がなかったのですが、とてもいい出会いとなりました。
今回のエフスタイルでの展示も、華雪さんによる見取図を片手に、書をめぐります。
会場であるエフスタイルの店舗兼事務所は、2棟続きの長屋の壁を一部抜き、つなげて使っています。図式上は単純な構成の建物です。しかしその内部空間は、意外なほど複雑さを感じさせるものでした。
その中を、地図を片手に、華雪さんの書を見つけながら、何度もぐるぐると巡りました。それはまさに、僕が去年米蔵で感じた感覚と、まったく一緒でした。
米蔵とは比較にならないほど床面積の小さな建物の中でも、とても複雑な空間回遊の体験がある…またしても、舌を巻かずにはいられませんでした。研ぎすまされた各作品の展示ディスプレイも、たいへん刺激的でした。
華雪さんがいらしたので、また色々とお話をおうかがいできました。会場での 「往復書簡ワークショップ」 にも参加してきました。
エフスタイルのお二人は、通常の業務と接客をしながら、展覧会の運営も同時進行でされていました。
お二人のうわさは色々な場面でかねがねお聞きしていたのですが、今回はじめてお目にかかりました。おいそがしい中、華雪さんの展示について、またエフスタイルの活動について、お話をしてくださいました。エフスタイルが始まって、もう10年になるそうです。
僕にとっては、新潟の下町の商店街の建物を拠点にされていることが、「建築と地域のかかわり」 を考えるひとつのきっかけにもなりそうで、その点も参考になりました。
(…こう書いていたら、またあの展示を、もっとじっくり見たくなってきました。なんとか日曜日にでもまた行ってみよう。)
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