別ブログもやっております! 50年間の役目を終えた「長岡市厚生会館」! その静かなる有終の日々…
「MOANIN' 長岡市厚生会館」

Saturday, April 29, 2006

around "Fukushima-E"


長岡駅の近くの 「福島江用水」 は、桜のスポットとして知られている。上の写真は27日木曜日に撮ったものだけど、まだ花がきれいでした。去年は女の子と夜桜を見物して楽しかった。今年はあいにくそういう機会には恵まれなかった。

僕の部屋は長岡駅から北に3kmほど離れた場所にあるんだが、すぐそばを福島江が流れている。駅より上流にあたる。


ここにおよそ1年前に引っ越してきたときは、川の水量がすごく多いので、雨の時など少し心配になった。
そのうちこの川が福島江用水であることがわかり、上流で水量調節をしているようなので増水することは無いらしいと知った。
それまでは福島江と言えば駅のそばの流れしか知らなかったものだから、新しい住まいの近くに福島江が流れているのは新鮮だった。

豊かな水の流れが住まいのすぐそばにあるというのは、とてもいいですね。川っぺりがずーっと畑に使われていて、いい感じだ。


ところで、ここ数日間の福島江の水量は、とても多い。僕がこの部屋に来てから一番多い気がする。
朝でも夜でも、部屋には水が流れる音がすごくよく聞こえる。そのせいか熟睡できる。


僕は以前、大分県の山奥の、とある町に一泊したことがあって、そこは川と生活が一体になった小さな町で、一晩じゅう川の水音を聞きながらぐっすり眠った。
その時のことはいずれ書く機会があると思うけど、今の僕の長岡の部屋は、ちょうどその体験を思い出すような、いい水音なのだ。

福島江のことを少し調べてみたら、長岡市と小千谷市との境の 「妙見堰」 から取水して、流量を調整しているらしい。
そこには 「妙見記念館」 があり、福島江のくわしい展示がされているということだ。
今日は祝日なので、自転車で妙見堰に行ってみようと思った。


午後から部屋を出た。今の福島江は本当に水が多い。そろそろ田植えの時期だから、それに備えているんじゃないかな。

1時間ほど走って、妙見堰がある 「越の大橋」 に着いた。
ここは山古志へ向かう道路の分岐点にあたる。山古志方面への道は、地震からの復旧作業の真っ最中で、いまだに通行止めだ。


妙見記念館の入口に行ってみると、閉まっていた。「当面は土日祝は休館します」との掲示がある。ありゃりゃ。
福島江について知ることはできなくなってしまったけれど、せっかく来たから大橋を渡ってみることにした。


橋の上からは、妙見堰の大きな水門がすぐ真下に見えた。
川の水が渦を巻いている。魚が通れるように 「魚道」 なんかもあった。





そして上流には、いまだに地震で崩れたままの国道が見える。生々しい爪痕だ。復旧作業をしているのも見える。
たしか家族が車で生き埋めになり男の子だけ救出された現場のはずだ。僕は地震後しばらくは避難所暮らしだったので、ニュースなど見てなくて、実は詳しく知らないんだけどね。とにかく心の中で手を合わせた。


橋を渡りきった。まわりの田んぼには水が入りはじめている。
せっかくだから、越路まで行ってみようと思った。
越路町は長岡と合併して現在は 「長岡市越路」 になったはずだ。そして新潟の日本酒のトップメーカー 「朝日酒造」 の本社がある。



先日、朝日酒造は新工場を竣工して、県内ニュースでたびたび取り上げられた。「久保田」 なんかもここで作られている。

実は、その新工場を設計したのは、僕がいま仕事をしている設計事務所なのだ。
新工場を正式に見学する機会が先週あったのだけど、あいにく僕は手持ちの作業が立て込んでいて、参加できなかった。だから新工場を見るのは、今日が初めてだ。エントランスの見学用ホールはいつでも開放されているはずだ。



えっちらおっちらペダルを漕いで、朝日酒造の新工場に着いた。
僕はここのスタディ模型を何度つくらされたことか。僕は模型でしか関わっていないけど、実物を見ても、設計者側によって込められた気合みたいなものが感じられる建物だ。

ところが見学ホールは開いていなかった。まあ祝日だしもう夕方近いし仕方ないか。
こんなことならちゃんと口利きしといてもらえば良かったけど、僕はもともと今日来る予定でも無かったわけだし、新工場見学に関しては次の機会を楽しみにしておこう。

売店に立ち寄った。朝日さんは日本酒も良いけど、売店で売っているお菓子や惣菜がまた美味しいのだ。

僕が好きな野菜の味噌漬けは、添加物なしのストロング・スタイルで、「ザ・新潟の味噌漬け」 というガチンコな風味がたまらない。
でも今日は味噌漬けはパスして、日本酒をしみこませた 「酒ケーキ」 と、あと 「ふきのとうの甘酢漬け」 をおみやげに買った。

売店には 「日本酒博物館」 が併設されている。僕はいまだに入ったことは無かったので、今日は初めて入ってみた。


いろいろ面白いものが展示されている。空間的には奇しくも昨日のログと同じトラス架構だ。木造の、いわゆる 「洋小屋トラス」 である。



さあそろそろ水音がする僕の部屋に帰ろうか。田んぼに掛かる空も夕焼け色になってきた。
思いがけない遠出になった。今日はいっぱい漕いだ。いろいろな物が見れて実り多い日になった。

福島江、妙見堰、朝日酒造へのリンク↓

http://www.e-net.city.nagaoka.niigata.jp/hakken/03_hakken/shousai013.html

http://hrrmlit.hokurikutei.or.jp/~shinano/office/sisetu/myouken/index.html

http://www.asahi-shuzo.co.jp/oshirase/20060406.html

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An artificial river for agricultural water, nemed "Fukushima-E", is running near my borrowing flat.
Charming water sounds are able to be heard when I'm in my room.

I wanted to see the head gate of Fukushima-E.
I rode my bike and went to the gate, "Myouken-Seki". I could watch heavy flowing waters and also the crushed montain road by the last Great Earthquake from the gate bridge.

After that I rode my bike to Koshiji.
I went to Asahi-Syuzo, the top maker of SAKE in Niigata.
I watched the brand-new SAKE plant and the small museum of making SAKE.


...Modinha...

Friday, April 28, 2006

a kind of rhythm


今日の仕事は、分電盤設備の現地調査の記録係として、職業訓練校に行った。
ここに来たのは初めてだったが、よく前の道を通るので気になっていた建物だ。

ご覧の通り、なかなか好感触な空間です。

トラスが連続する架構は、部材のメンバーとリズムの組み合わせにより、すごく魅力的な空間になりうる
同じような空間は、他には例えば牧場の牛舎や、ある種のパチンコ店にも見られることがある。内藤廣さんの 「素形の空間」 を少し連想させるところもある。

天気が良く、窓からの光で室内はとても明るかったが、なぜか暑さはそれほど感じられず快適だった。部屋の空気の体積が大きかったからだろうか。


ところで、分電盤の調査をしていて、「ブレーカーの製造年を確認してくれないか」 と指示を受けた。
盤内を覗き込んで確認し終えた。すると、「分電盤のここの電気のところにさわると感電死するよ~。助けようとすると俺も感電するから助けられないんだよねー。」 と言われた。
まあ常識的にさわりはしないけど、覗く前に言ってください。
「普通は絶縁ヘルメットを被るんだよ。」 と言われた。僕のはだかの頭はきっと電気を良く通すと思うよ。

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Many slender steel parts organize a space that is rythmic and fine.


...Modinha...

Sunday, April 09, 2006

Tokyo


日曜日は、福島から東京を目指す。
ホテルを出て駅に向かい、6:05発の黒磯行に乗る。
黒磯で乗り換える。電車が栃木県に入ると、白梅がほころんでいるのが見えた。


宇都宮で、上野行の電車に乗り換える。
上野に着いたのは11時すこし前。東京の桜はもうかなり散っている。

山手線で秋葉原に行く。
萌えに行く、のではなくて、ヤマギワ本店でワークチェアを見たいと思った。
ちゃんとしたワークチェアは10万円以上するけど、一生使えるし、長時間座って作業しても疲れない。
すぐに買えるわけじゃないが、いつか自宅に一脚欲しい。

ヤマギワでいろいろ座らせてもらう。店員さんに説明してもらう。
前から目を付けていたやつは、実際座るとすごく良かった。
店員さんに名刺をいただく。「購入を前向きに検討させていただきます。」と返事したけど、いつになることやら。

ヤマギワを出る。東京はすごく天気が良く、暖かだ。
御茶ノ水のほうへ歩く。遠くに聖橋が見える。川面には桜の花びらがびっしり浮かんでいる。


レモン画翠に寄って、事務所で使うカッター替刃を買い、領収書をもらう。
神保町まで歩く。日曜なので、神保町の古本屋はほとんど休みだ。

これから日本橋まで歩いてみよう、と思いつく。

4年前の話になるが、僕は日本橋の設計事務所で2週間ほどアルバイトをしたことがある。
長岡に戻ってきてから、初めての建築バイトだった。

大学の教授に紹介され、寝袋持参で事務所に泊まりこんで、模型を作った。日当と食事代が出た。今思うとけっこういい待遇だった。
久しぶりに日本橋に行ってみよう。

ところで、僕は大阪の設計事務所でもオープンデスクをした経験があり、「日本橋」をつい 「にっぽんばし」 と読んでしまうくせがついた。

そして、そのときお世話になった、大阪の建築家の出江寛さんが、いま東京丸の内で、ガラス作家さんの個展の空間構成をやっている。

「にほんばし」の後は、丸の内に行って、出江さんの展示を見てみよう。

そう言えば、出江さんの東京での作品 「岡慶東京支店」 は、日本橋人形町にあったな…あとで行ってみようか。

バイト先だった事務所の近くの交差点に着いた。なじみのある光景だ。
よく朝食を食べた立ちぐいそば屋がある。今日は閉まっているけど。
ここは、いろんな種類の天ぷらをお好みで乗せることができた。そばつゆは本当に真っ黒だった。でもすごくおいしかった。


事務所に行ってみる。まだちゃんとあった。日曜なので施錠されていた。
事務所の前には、よく借りて乗った黄色い自転車があった。なつかしい。でもなぜか横だおしになっている。


当時のことを色々思い出した。まとまった期間を東京で生活するのは初めてだった。
日本橋・神田近辺は、安くておいしい店がたくさんあり、楽しかった。
中央通りへ戻ってみる。


三井本館ビルを初めて見たときは圧倒されたなあ。
バイトで1週間くらいかけて作ってきた模型を、最後に徹夜で仕上げて提出書類に写真を載せた。朝が来て仕事が終わり、スタッフさんと一緒に三越のライオンの前で記念写真を撮った。よく覚えている。
しかし今なら同じことを2日でやっちゃうよ。当時はよくそれで使ってもらえたもんだ。

高速道路の下の日本橋が見えたところで、、人形町の方へ曲がる。軽く昼食をとってから、出江さんの岡慶を探す。
今回の旅では、僕のゆかりのあった場所ばかり訪ねている。

岡慶を見つける。しかし今は建物は「岡慶」ではなく、タレント事務所に変わっている。


アルミの外装がにぶく光り、日本的なモチーフのデザインが周囲に異彩を放っている。
出江さんはオープンデスクの学生達に、みずからのデザイン哲学をレクチャーしてくれた。岡慶はその教えの通り、「美しく沈黙」 している。細部まで緊張感がある。出江さんの姿を思い出し、背筋が伸びてしまった。

岡慶をあとにして、東京駅方面へ歩く。
隅田川を渡り、八丁堀に来る。このそばにはバイトを紹介してくれた教授の東京事務所がある。
東京駅の大丸ビルが見えてきた。今日はかなりたくさん歩いている。

東京駅の通路を歩き、ドーム天井を抜けて、丸の内に出た。
ガラス作家さんの展覧会は、「丸の内オアゾ」の丸善ギャラリーでやっている。


4Fギャラリーへ行ってみる。
ガラス作家・朝倉晴比古さんの作品はすごく工芸的で美しく、僕がふだん使っているような食器とは少しジャンルが違う。展示空間構成にどの程度まで出江さんの手が入っているのか、正直よくわからなかった。

でも展示パネルで、朝倉さんの作品が内装に使われているイタリアンレストランの写真があり、設計が出江さんの息子さんの潤さんだと書いてある。

オープンデスクのときは出江さんやスタッフさんを始め、息子さんたちや奥様にもすごくお世話になった。
ギャラリーの人にレストランの場所を聞くと、大阪市北区の出江事務所の近くだという。
機会があれば行ってみよう。皆さんまだ変わらずがんばっていらっしゃるんだろうか。

丸善を出る。そろそろ帰る時間だ。上野に向かい、新潟に帰る普通電車に乗らなくてはいけない。東京駅がすごくきれいだ。(先日の横浜開港記念開館を思い出す。)


今回の旅行は、はからずも自分のルーツをたくさん訪ねる旅になった。
そのことで逆に、いま自分がいる場所を見つめ直すことができた。

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I came to Tokyo and visited Nihonbashi.

In this short trip , I visited many memorial places of me.

I thought about a lot of things, and I got too tired.


...Modinha...

Saturday, April 08, 2006

Shiogama & Sendai


小旅行の行き先は、仙台でした。

強行軍だが、金曜の夜に長岡を出て、土日で仙台と東京に行こうと思った。
長岡発19:23の新潟行に乗った。今回の移動はほとんど「18きっぷ」で普通電車だ。

磐越西線に乗り換え、会津若松に22時過ぎに着く。駅前のホテルで一泊する。

土曜の朝、5時半にホテルを出て、6:00発の郡山行に乗る。郡山から福島までは新幹線を使う。
福島からは東北本線の普通電車で、仙台をめざす。

仙台に行くのは少し緊張する。

僕は高校を出てから、10年くらい仙台に住んでいた。
長岡に戻ってきて大学に入りなおして、1年生の夏休みに、名取の針生承一さんの設計事務所で2週間オープンデスクをした。 仙台はそれ以来だから、5年ぶりだ。

昔の思い出がいろいろあり、愛憎半ばする土地なのだ。どんな気持ちになるのか。
白石を過ぎるあたりから不安になってきた。

でも、電車の窓から、岩沼の工場群が煙を上げているのが見えたとき、精神がスーッと昔に戻った。
点と点の記憶がつながった。僕も仙台も昔のままだ。不安は消えた。

電車は仙台駅に入る。そのまま乗り続け、塩釜をめざす。
目的は、阿部仁史さんの新作、「菅野美術館」だ。
塩釜に近づくと、電車の窓から、山あいの住宅の中に美術館が見えた。

菅野美術館は、阿部さんの作品集で計画模型を見たとき、すごく気になった。

なぜかというと、唐突だが、僕はバッハの「平均律クラヴィーア曲集」に入れ込んでいて、1番のプレリュードを聞くと、なぜか建築のことを考えてしまう。
バッハのシークエンスと建築空間のシークエンスの関連は、僕にとってのテーマのひとつだ。

そのテーマを抱えている僕が、美術館の計画案を見たとき、一種の「やられた感」があった。
限定されたキューブの中にスチールのパネルを組み込んで部屋とスロープに分節し、シークエンスを生み出している。すごく鮮やかだ。
僕はバッハの平均律曲に少し通じるものを感じた。

客観的には、「バッハ的」と言うより、「定型詩的」と言うほうが正確かもしれない。
最近、雑誌で竣工写真が発表された。内部は真っ白で、シークエンスや空間性の面白さよりは、むしろ高い造形性のほうが強く感じられた。実際に行ったらどんななんだろう。

バッハのことはさておき、電車は塩釜に着いた。雨が降り始めた。
方向にあたりを付け、歩き出す。高台の上に美術館が見えかくれする。


住宅地の坂道を登りきると、美術館にたどり着く。
菅野美術館は彫刻を展示するために建てられ、この3月末に開館したばかりだ。
建物の一番上の階にアクセスして、下の階へ降りながら、彫刻の展示をめぐっていく。展示フロアレベルは全部で4つ。
阿部さんの解説によると、ホワイトキューブのような均質空間ではなく、彫刻と空間が呼応して固有な場となることを目指して設計したそうだ。


10時の開館と同時に中に入った。
立ち止まり、彫刻を見る。そして次の部屋へ降りていく。一番下の部屋は一気に大空間になる。
建築雑誌に載っていた写真は真っ白けな感じだったが、彫刻が置かれると、にわかに面白い空間になる。

開館記念で、たくさんの彫刻とデッサンが展示されていた。ただ僕の感想では、オープンして間もないこともあり、まだ彫刻と空間がうまく呼応しているとは言えないと感じた。運営面も含めて、美術館が使いこなされるまでには、もう少し時間が必要なのだろう。

彫刻専門の小美術館としては、糸魚川の谷村美術館が思い出される。谷村美術館は入口と出口が別々に設定されたワンウェイルートだが、菅野美術館は一番下の部屋を見た後は最上階まで引き返す方式だ。
上に戻るときに、見てきた作品と再会する。上り階段の先の女性像と目が合ったときは、ハッとした。(ベタだけど)

彫刻と空間が呼応する体験としては、いまのところ谷村美術館のほうがすぐれていると思う。でも菅野美術館は、空間の造型感覚が現代的で、刺激にあふれている。阿部仁史さんの造形力には、まったく舌を巻いてしまう。

学芸員の方といろいろ話をした。開館記念期間が終わると常設展示になり、もっと作品点数を絞った展示になるそうだ。また、阿部さんの作品展も予定されているらしい。
美術館が使いこなされていけば、作品と対峙し思いをめぐらせるのにもってこいの、素晴らしい美術館になるだろう。
もしこれが近所にあったら、折にふれて通ってしまいそうだ。


http://www.kanno-museum.jp/

http://www.a-slash.jp/works/project/ssm/ssm_index.html


美術館をあとにして駅に戻り、電車で仙台に向かう。
仙台に着いた。駅に降り立つ。
懐かしいペデストリアンデッキ。
と言うか、もう僕の感覚は仙台にいた当時に戻ってしまっているので、「懐かしい」というのは正確ではない。


旅の都合上、仙台には4時間くらいしかいられない。中心市街地をひととおりまわる事にする。
街の印象は、僕が住んでいた頃と全く変わっていない。
5年前に2週間だけいたときは、知らない大きなビルや店がたくさん建ち、以前の仙台とずいぶん変わってしまった印象を受けた。でも今回は、住んでいた頃と全く同じ雰囲気を感じる。

青葉通を歩き、片平の方に少し立ち寄る。昔よく来た「中華スーパーレストラン・天龍」(←すごい名前)で食事をする。
昔みたいにホイコーロ定食、ではなく、焼肉定食をたのむ。カウンター前の厨房では、調理人のおにいさんたちが、あいかわらず戦場のようなすさまじい勢いで、次々と料理を作りまくっている。


古本街を覗いてから、一番町モールへ行く。店の入れ替わりはあるが、昔とまったく同じ雰囲気だ。
人々まで同じだと錯覚さえしてしまう。

広瀬通、定禅寺通と進む。定禅寺のケヤキ並木は枝をまっすぐ延ばしている。
仙台市民ならまず歩かない、定禅寺通の真ん中を歩く。
なにせ僕はもう市民じゃないからな。


メディアテークが見えてくる。
これは僕が仙台を離れてから竣工した。でも僕が訪れるのは初めてではなく、工事中だった頃から何度か来ている。

竣工から5年が経っている。そのあいだ建築デザインのトレンドは変化している。何よりも設計者の伊東豊雄さん自身が変わり続けている。
メディアテークの竣工当時はデザイン手法の斬新さが話題の中心になった。だが今ではそれより、僕はむしろ施設の使われ方・プログラムの魅力のほうに、より大きな意味を感じる。
伊東さんとメディアテークに関しては、また別の日に書いてみたい。

メディアテークの透明な姿は仙台と仙台市民に溶け込んでいた。
建物がチューブ構造を内包しているかどうか、それは別にどうでもいい話だった。


国分町を抜けて、駅へ戻った。「仙台四郎」の絵ハガキを探したけど見つからなかった。
夕方の上り電車に乗る。日付が変わる前に東京まで行けないことは無い。

でもやはり気疲れしていたのだろう。福島で乗り換えるとき、先を急ぐのが嫌になっ
た。早く休みたかった。
福島の街に降り立ち、駅前のホテルを見つけて、一泊した。

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I visited Shiogama and Sendai.
In Shiogama, I went to a brand-new museum, KANNO MUSEUM OF ART, desinged by Hitoshi ABE. It was so cool.
And in Sendai, I went to SENDAI MEDIATHEQUE.

I had been lived in Sendai for about 10 years since I graduated the high school in Nagaoka.
But in this trip, I didn't feel the nostalgia for Sendai.
I felt it was "natural" that I came in Sendai.


...Modinha...

Thursday, April 06, 2006

hyper-warehouselike space


むき出しラーメン構造空間・エピソード3。

極めつけがこの、福島県喜多方市の、熊野神社・長床です。

(昨日の五泉のスーパーも、元はといえば電車で長床を訪ねる途中に発見したものなのだ。)

修験道の拝殿として建てられ、ものの本によると建立時期は平安末期から鎌倉初期と推定されている。
桁行9間・梁間4間、スパンは3,030mm、柱径は450mm。

ここの魅力をどうやって説明したらいいんだろう。

「大空間に壁や建具が無い」ということだけで、日常からゆるやかに浮遊したような場が生まれている。
柱は太く、架構は簡素で剛健。僕は特に床スラブの厚みが気持ちよかった。裸足になって上がりこんでみる。



建てられた目的は、修行の場という機能を満たすためのもの。空間がうんぬんかんぬんとかそういうのとは、特に関係が無い。でも、21世紀の建築かぶれの僕がそこに行くと、「空間」とか「場」とかの言葉を使って、色々なことを頭の中で考えてしまう。

僕はそうやって長床のなかで2時間ほど過ごした。ぽつぽつと人が来る。子供連れの若い夫婦が来た。子供が走り出した。ガイドつきの数人の団体がガヤッと来て、しばらくしてガヤッと帰った。リュックをしょって歩きやすそうな格好の二人連れが来た。僕はひとりで間抜け面で座っている。


長床はそういう人たちの行動をすべておおらかに受け入れている。そのおおらかさが一番印象に残っている。
でもあそこで感じた空気感とか皮膚感覚とか、そういうのはもう説明できないな。
興味があったらぜひ行ってみてください。損はしないと思います。


(→エピソード1はこちら
(→エピソード2はこちら

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This shrine is called NAGATOKO. This is in Kitakata, Fukushima.
The structure is simple and strong, and the space is universal.


...Modinha...

Wednesday, April 05, 2006

"warehouselike" space


昨日のログではすごくはしゃいだけど、僕がいかにむき出しになったラーメン構造骨組みに惹かれているか…エピソード2。

磐越西線の五泉駅前に、つぶれてしまったスーパーマーケットがある。

サッシュや壁が取り払われて、ボックス柱の骨組みだけになっている。それがなんとも魅力的なたたずまいなのだ。

初めは電車の窓から見えて、眼に焼きついてしまった。後日バイクで現地に再訪した。雨が降っていた。去年の秋の話です。

雨の中われながらよくやるよ…と思いながら、一般人の視線を気にしつつ、写真を撮った。骨太な骨組みだけになった姿は、たぶん現役のスーパーマーケットの頃より、魅力的な空間になっているだろう。

中に入ってみると、外から見てるほど良くないな…とそのときは思ったけど、こうして写真で見直してみると、かなりいいですね。
 

(→エピソード3はこちら
(→エピソード1はこちら

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This is a broken supermarket.
Walls have been took away and columuns have became bare.
And this supermarket becomes a plain space like an empty warehouse.
I like it very much, especially its strong structure and that the inner space is mixed with the outer space.


...Modinha...

Tuesday, April 04, 2006

warehouse


今日この倉庫を見つけた。
これはいい!俺こういうの大っ好きやー!
ナイスな空間・H鋼の迫力のウェブ成。
もう住みついてもいいね。ああしてこうして、ふっふっ。
雪に埋もれたところも見たかったなあ。

(→エピソード2はこちら
(→エピソード3はこちら

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This warehouse is just a warehouse, but it has a very attractive architectural space.


...Modinha...