日曜日は、福島から東京を目指す。
ホテルを出て駅に向かい、6:05発の黒磯行に乗る。
黒磯で乗り換える。電車が栃木県に入ると、白梅がほころんでいるのが見えた。
宇都宮で、上野行の電車に乗り換える。
上野に着いたのは11時すこし前。東京の桜はもうかなり散っている。
山手線で秋葉原に行く。
萌えに行く、のではなくて、ヤマギワ本店でワークチェアを見たいと思った。
ちゃんとしたワークチェアは10万円以上するけど、一生使えるし、長時間座って作業しても疲れない。
すぐに買えるわけじゃないが、いつか自宅に一脚欲しい。
ヤマギワでいろいろ座らせてもらう。店員さんに説明してもらう。
前から目を付けていたやつは、実際座るとすごく良かった。
店員さんに名刺をいただく。「購入を前向きに検討させていただきます。」と返事したけど、いつになることやら。
ヤマギワを出る。東京はすごく天気が良く、暖かだ。
御茶ノ水のほうへ歩く。遠くに聖橋が見える。川面には桜の花びらがびっしり浮かんでいる。
レモン画翠に寄って、事務所で使うカッター替刃を買い、領収書をもらう。
神保町まで歩く。日曜なので、神保町の古本屋はほとんど休みだ。
これから日本橋まで歩いてみよう、と思いつく。
4年前の話になるが、僕は日本橋の設計事務所で2週間ほどアルバイトをしたことがある。
長岡に戻ってきてから、初めての建築バイトだった。
大学の教授に紹介され、寝袋持参で事務所に泊まりこんで、模型を作った。日当と食事代が出た。今思うとけっこういい待遇だった。
久しぶりに日本橋に行ってみよう。
ところで、僕は大阪の設計事務所でもオープンデスクをした経験があり、「日本橋」をつい 「にっぽんばし」 と読んでしまうくせがついた。
そして、そのときお世話になった、大阪の建築家の出江寛さんが、いま東京丸の内で、ガラス作家さんの個展の空間構成をやっている。
「にほんばし」の後は、丸の内に行って、出江さんの展示を見てみよう。
そう言えば、出江さんの東京での作品 「岡慶東京支店」 は、日本橋人形町にあったな…あとで行ってみようか。
バイト先だった事務所の近くの交差点に着いた。なじみのある光景だ。
よく朝食を食べた立ちぐいそば屋がある。今日は閉まっているけど。
ここは、いろんな種類の天ぷらをお好みで乗せることができた。そばつゆは本当に真っ黒だった。でもすごくおいしかった。
事務所に行ってみる。まだちゃんとあった。日曜なので施錠されていた。
事務所の前には、よく借りて乗った黄色い自転車があった。なつかしい。でもなぜか横だおしになっている。
当時のことを色々思い出した。まとまった期間を東京で生活するのは初めてだった。
日本橋・神田近辺は、安くておいしい店がたくさんあり、楽しかった。
中央通りへ戻ってみる。
三井本館ビルを初めて見たときは圧倒されたなあ。
バイトで1週間くらいかけて作ってきた模型を、最後に徹夜で仕上げて提出書類に写真を載せた。朝が来て仕事が終わり、スタッフさんと一緒に三越のライオンの前で記念写真を撮った。よく覚えている。
しかし今なら同じことを2日でやっちゃうよ。当時はよくそれで使ってもらえたもんだ。
高速道路の下の日本橋が見えたところで、、人形町の方へ曲がる。軽く昼食をとってから、出江さんの岡慶を探す。
今回の旅では、僕のゆかりのあった場所ばかり訪ねている。
岡慶を見つける。しかし今は建物は「岡慶」ではなく、タレント事務所に変わっている。
アルミの外装がにぶく光り、日本的なモチーフのデザインが周囲に異彩を放っている。
出江さんはオープンデスクの学生達に、みずからのデザイン哲学をレクチャーしてくれた。岡慶はその教えの通り、「美しく沈黙」 している。細部まで緊張感がある。出江さんの姿を思い出し、背筋が伸びてしまった。
岡慶をあとにして、東京駅方面へ歩く。
隅田川を渡り、八丁堀に来る。このそばにはバイトを紹介してくれた教授の東京事務所がある。
東京駅の大丸ビルが見えてきた。今日はかなりたくさん歩いている。
東京駅の通路を歩き、ドーム天井を抜けて、丸の内に出た。
ガラス作家さんの展覧会は、「丸の内オアゾ」の丸善ギャラリーでやっている。
4Fギャラリーへ行ってみる。
ガラス作家・朝倉晴比古さんの作品はすごく工芸的で美しく、僕がふだん使っているような食器とは少しジャンルが違う。展示空間構成にどの程度まで出江さんの手が入っているのか、正直よくわからなかった。
でも展示パネルで、朝倉さんの作品が内装に使われているイタリアンレストランの写真があり、設計が出江さんの息子さんの潤さんだと書いてある。
オープンデスクのときは出江さんやスタッフさんを始め、息子さんたちや奥様にもすごくお世話になった。
ギャラリーの人にレストランの場所を聞くと、大阪市北区の出江事務所の近くだという。
機会があれば行ってみよう。皆さんまだ変わらずがんばっていらっしゃるんだろうか。
丸善を出る。そろそろ帰る時間だ。上野に向かい、新潟に帰る普通電車に乗らなくてはいけない。東京駅がすごくきれいだ。(先日の横浜開港記念開館を思い出す。)
今回の旅行は、はからずも自分のルーツをたくさん訪ねる旅になった。
そのことで逆に、いま自分がいる場所を見つめ直すことができた。
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I came to Tokyo and visited Nihonbashi.
In this short trip , I visited many memorial places of me.
I thought about a lot of things, and I got too tired.
...Modinha...
1 comment:
First time here at your blog and wanted to say i enjoyed reading this.
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