福岡県北九州市の「門司港レトロ」地区で野宿をして、一夜を明かしました。
夜明け前の門司港駅舎
ねこが遊んでくれました。
夜が明けてきました。
関門連絡船の通路跡のトップライトからも、光が落ちてきます。今日の光と昔の施設、この新旧のコントラストが、僕は好きなのです。
門司港駅を始発で出発して、まず博多方面に向かいました。
博多駅で朝食のおにぎりを買い、ふたたび電車に乗り込んで、JR鹿児島本線にて熊本を目指しました。
しかしやはり野宿では休養が十分に取れておらず、車内ではほとんどダウンして寝ていました。
まどろみの中、覚えている範囲でも、車窓から見える光景には「九州」を感じました。例えば、田んぼのかたわらの小さな祠の造形に、なんとなく朝鮮半島や大陸の影響を見て取りました。回らぬ頭でメモを取りました。
そして違いを感じたのは、墓石です。真っ黒い石の地に、文字が金色で施されています。初めて見ました。これにも「九州」を感じました。
(墓石の写真が見つかりません。もしあったら、後日載せたいと思います。)
さて、熊本には午前10時ころ到着しました。この日は熊本で一日過ごし、宿も取ろうと思いました。
熊本駅にて 水戸岡鋭治さんによるドローイングでしょうか…
熊本には市電が走っています。市電で町の中心部(通町筋)まで行くことにしました。駅前で工事中だった曲線型のキャノピーは、どこかで見たデザインだと思いました。旅を終えてから、西沢立衛さんのデザインだと知りました。モノとしてはちょっとゴツく思えましたが、なるほど納得です。
この日は完全に疲労していました。市の中心部・下通りアーケードのネットカフェに入り、3時間ほど休養しました。ついでに宿を探し、素泊まり2500円の旅館をみつけ、電話して予約しました。
旅館に行って荷物を置かせてもらい、ひと息ついたあと、熊本城まで歩いてみました。
熊本城公園には、熊本県立美術館があります。前川國男さんの設計で、氏の代表作のひとつとされています。疲労していようがなにしようが、とにかくこの建物だけは見なくてはと思いました。
しかし今になって思い返してみて、正直言って美術館の空間の記憶を、残せていません。
やはり何をするにしても、体調や健康というのは、たいへん大事です。
名城として名高い熊本城も、中に入るのはパスしました。妙に弱気になって、入場料もケチろうと思ったりして…
とても大きな城です。天守閣から遠く離れた「戌亥櫓」が、晴天の下にくっきりと影を落としていました。そのスケール感を超越した白昼夢のようなシュールな眺めが、とても印象に残っています。
熊本市は中心部をアーケードが何本も交差していて大へん栄えており、若者はみなおしゃれで活気のある街でした。何といっても熊本城の威容が市内のいたる所から見えるのが印象的です。食べ物もおいしそうだし…
しかし今回の旅では体調の都合で、十分に市内を回ることができませんでした。また機会があれば、ぜひ訪れてみたい街です。
旅館の隣はお菓子屋さんでした。熊本名物の「いきなりだんご」を買って部屋に帰りました。蒸かしたサツマイモと、あんこが入っています。疲れた体にやさしい甘味でした。
(旅に関する記事は、ラベル「2010年の夏旅」をご覧ください。)
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